今回は、少し時間を遡って、僕が博士課程に進学することになった経緯と、博士課程の受験の手続きについて簡単に書いていこうかと思います。
僕は元々、ニブンビジョンという顔認識技術を開発している会社で、現ジェイマジック社長の宮田さん(当時ニブンビジョン日本法人社長)の下で、主に顔認識エンジンを組み込んだ製品やサービスの開発を担当してました。ところが、2006年8月にニブンビジョンがGoogleに買収されることが決まり、その際に解雇されることとなりました。
尚、リストラは僕はこれが初めてではなく、最初に入った某大手外資系メーカを事業縮小に伴い解雇されてます。この時に出た退職金にあまり手を付けておらず、また自分の持っている画像認識の知識やスキルもまだ不十分と感じていたため、ニブンビジョン解雇時の退職金も合わせて軍資金にして、大学かどこかで勉強しなおすことを思い立ちました。どこか画像認識をやっている企業に入るという選択肢もあったのですが、画像認識の中でも自分が必要と思う技術を、会社の都合に引きずられることなく、着実に身に着けたいという思いがありました。と言っても、この時は別に博士課程に進むことはあまり考えておらず、学位はどうでも良いので、1-2年間くらい集中してどこかの大学(海外含む)で勉強しなおしたい、という程度でした。というのは、やはり自分はアカデミックな世界よりはビジネスの世界で技術を活かして生きたいと思っており、博士号を取得する場合3年はかかると聞いていたため、そんな長い間現場を離れるのに抵抗があったためです。
そこで、出身大学の研究室の恩師である斎藤先生に、これを機に画像認識を勉強し直そうかと思っている旨を伝え、相談に乗ってもらいました。その時斎藤先生から、僕のキャリアを考えたら大学に100%通うのはもったいないので、働きながら博士課程へ進むのはどうかと提案されました。
働きながら博士課程に進むなんて、本当に可能なのか?と思いましたが、実際ビジネスの現場にいながら勉強もできるというこの申し出は非常に魅力的に聞こえました。
ただ、問題はどこで働くかです。人材紹介会社から紹介された会社や、斎藤先生からも何社か紹介をされ、実際に面接も受けたのですが、どこも働きながら学生をするには厳しそうな環境です。考えてみれば当然で、採用するのは人が足りないからなのに、せっかく雇った人材に片手間で学校に行かれるのは適わないでしょう。
とその時、ジェイマジックCEOの宮田さんから、大学に通いながらでも良いから一緒にやらないか?というありがたい話を受けました。これはニブンビジョン時代に一緒に働いていたため、信頼関係ができていたからというのもありますが、宮田さん自身が博士号というものに理解があるのが多分に大きいと思います。(本人もいつか取ってみたいと言っているくらいですから)
ただ、ジェイマジックのようなベンチャー企業に進めば、実際の仕事や納期もあるでしょうから、「週の半分は会社で、週の半分は大学に行きます」というような区切りは難しいだろうと思いました。また研究も同じように、発表前などはある期間集中してやる必要が出てくることは容易に想像できます。
そこで、宮田さんに「例えば2-3週間集中して仕事をしたら、次の2-3週間は研究をするような働き方は可能ですか?」と打診したところ、快諾していただいたため、ジェイマジックへの入社を決意しました。
これが2006年10月頃です。
というわけで、入学手続きの話をしようと思ったんですが、ちょっと長くなったのでそれはまた次の機会に。