4 月 20

今回は、少し時間を遡って、僕が博士課程に進学することになった経緯と、博士課程の受験の手続きについて簡単に書いていこうかと思います。


僕は元々、ニブンビジョンという顔認識技術を開発している会社で、現ジェイマジック社長の宮田さん(当時ニブンビジョン日本法人社長)の下で、主に顔認識エンジンを組み込んだ製品やサービスの開発を担当してました。ところが、2006年8月にニブンビジョンがGoogleに買収されることが決まり、その際に解雇されることとなりました。
尚、リストラは僕はこれが初めてではなく、最初に入った某大手外資系メーカを事業縮小に伴い解雇されてます。この時に出た退職金にあまり手を付けておらず、また自分の持っている画像認識の知識やスキルもまだ不十分と感じていたため、ニブンビジョン解雇時の退職金も合わせて軍資金にして、大学かどこかで勉強しなおすことを思い立ちました。どこか画像認識をやっている企業に入るという選択肢もあったのですが、画像認識の中でも自分が必要と思う技術を、会社の都合に引きずられることなく、着実に身に着けたいという思いがありました。と言っても、この時は別に博士課程に進むことはあまり考えておらず、学位はどうでも良いので、1-2年間くらい集中してどこかの大学(海外含む)で勉強しなおしたい、という程度でした。というのは、やはり自分はアカデミックな世界よりはビジネスの世界で技術を活かして生きたいと思っており、博士号を取得する場合3年はかかると聞いていたため、そんな長い間現場を離れるのに抵抗があったためです。

そこで、出身大学の研究室の恩師である斎藤先生に、これを機に画像認識を勉強し直そうかと思っている旨を伝え、相談に乗ってもらいました。その時斎藤先生から、僕のキャリアを考えたら大学に100%通うのはもったいないので、働きながら博士課程へ進むのはどうかと提案されました。
働きながら博士課程に進むなんて、本当に可能なのか?と思いましたが、実際ビジネスの現場にいながら勉強もできるというこの申し出は非常に魅力的に聞こえました。

ただ、問題はどこで働くかです。人材紹介会社から紹介された会社や、斎藤先生からも何社か紹介をされ、実際に面接も受けたのですが、どこも働きながら学生をするには厳しそうな環境です。考えてみれば当然で、採用するのは人が足りないからなのに、せっかく雇った人材に片手間で学校に行かれるのは適わないでしょう。

とその時、ジェイマジックCEOの宮田さんから、大学に通いながらでも良いから一緒にやらないか?というありがたい話を受けました。これはニブンビジョン時代に一緒に働いていたため、信頼関係ができていたからというのもありますが、宮田さん自身が博士号というものに理解があるのが多分に大きいと思います。(本人もいつか取ってみたいと言っているくらいですから)

ただ、ジェイマジックのようなベンチャー企業に進めば、実際の仕事や納期もあるでしょうから、「週の半分は会社で、週の半分は大学に行きます」というような区切りは難しいだろうと思いました。また研究も同じように、発表前などはある期間集中してやる必要が出てくることは容易に想像できます。
そこで、宮田さんに「例えば2-3週間集中して仕事をしたら、次の2-3週間は研究をするような働き方は可能ですか?」と打診したところ、快諾していただいたため、ジェイマジックへの入社を決意しました。
これが2006年10月頃です。

というわけで、入学手続きの話をしようと思ったんですが、ちょっと長くなったのでそれはまた次の機会に。

4 月 17

恥ずかしながら、実は僕はブログというのを書くのが今回が始めてだったりします。

今まで読むことはあっても、書くことはなかったのですが、実際書く立場になってブログの管理画面なんかを見ていると、ものすごいリッチなインターフェースが実現されててビックリ。

このブログはMovableTypeというSix Apart社の製品を使っているのですが、例えば編集画面は、



こんな感じでWYSIWYG(編集画面で作ったレイアウトがそのまま表示画面になる)が実現されてます。

Web系の技術に詳しくない人にはピンと来ないかもしれないけど、これをWordとかのデスクトップアプリケーションではなく、Web上で実現するのは結構すごいんです。MovableTypeは、TinyMCEというWYSIWYGエディタを採用しているみたいですが、当たり前のことながらHTMLを直接編集するよりは、全然楽チンです。

ちなみにソースを見てみたら、記述のほとんどがHTMLではなくJavaScriptでした。一番興味あるのは表示系だけど、色々調べたところ、どうもTinyMCEのライブラリがダイナミックに編集中の表示系を整えて、かつそれにあわせたHTMLも生成しているらしいです。つまり、このWYSIWYGの編集領域はtextareaタグの中の表示をJavaScriptで動的に変更するということをやっているらしいです。iframeタグなら、HTMLの中にHTMLを埋め込むということができるのでわかるのですが、このタグは全てのブラウザーでサポートされているわけではないので、おそらく互換性を保つためにtextareaタグを使っているのでしょう。これが全部JavaScriptだけで実現してるんですね。Ajaxの場合もそうだけど、JavaScriptというある意味「枯れた」技術で、ここまでのことができるというのはすごいです。

一応、Ajaxの仕組みとかRSSフィードがどうしたとか、ブログの仕組みがどうとかっていうのはある程度は理解しているつもりだったんですが、なにぶん僕はクライアントよりは主にサーバーサイドを開発することが多かったので、リッチクライアント技術には疎かったと思います。

ま、これはただの言い訳ですね。

リッチクライアントだなんだって、Google DocumentやSpreadSheetやSaaSなんかが騒がれ初めて随分経つのに、これじゃいけないです。やはり自称テクニカルソリューションアーキテクトとしてはこういうイケテル技術はちゃんとチェックして、引き出しを増やしておかないといけないとと思います。 

このブログを続けながら、徐々に色々な仕組みを覗いていこうっと♪

4 月 16

本日午前中に、履修申告を出してまいりました。
せっかくWebで申し込んだのに、結局先生の判子が必要なため、午前中大学へ行ったのですが、運悪く先生は捕まらず、やむなく判子のないままコピーを提出し、後日判子付きのものを提出することにしました。午後は一番にミーティングがあったので、そのまま会社へ直行です。
余談ですが、今日学食で食事をしていたら、現在物理学科の4年生のいとことばったり再会しました。最後にあったのが随分前だったので、すっかり立派な大人になってて感慨深い。

さてさて、今回履修申告を行った科目ですが、博士課程を卒業するために必要な科目は、「特別研究第2」という1科目だけです。これを通常は3年、遅くとも6年以内にとります。尚、きちんと業績を残せば、早くて1年半で取れるそうです。
この「特別研究第2」は、別に授業ではないため、決まった曜日の決まった時間に学校にいかなければいけないというようなものではなく、いわゆる研究というのをやって、きちんと成果を出しさえすれば、どこで研究をしようがいつ学校へ行こうが構いません。
修士課程の場合は、この特別研究というものの他に授業も履修しなければならないため、実は博士課程の方が社会人との掛け持ちには向いているのかもしれません。

とはいえ、きちんと成果をあげなければもちろん博士号は取れないわけで、通常はその資格を得るために、国内外の学会で発表し、また論文誌に自分の書いた論文が採用される必要があります。この何本論文を出さなければいけないとか、何回発表しなければいけないなどは、所属する専攻によって違います。
僕の所属する専攻の場合、例えば優れたソフトウェアを実際に作って公開しました、というようなことも成果とみなされる場合があるそうです。あまり実際にそうした人の話は聞きませんが。

また、ドクターの取りやすさというのも、専攻によってまちまちのようです。例えば自然科学系の場合、地道な実験を繰り返す必要があり、実験のできるタイミングなどが限られていたり、また実験そのものが準備に長い時間がかかったりする場合が多々あります。
一方、僕のように画像認識が専攻の場合は、ほとんどがコンピュータ上での実験になるため、そういった理学系の人達よりは、自分のペースで研究できると思います。

そうは言っても、現状なかなか十分な研究の時間が取れていないので、どうなるかは不安でいっぱいなわけですが・・・。

4 月 13

うちの大学は理工学研究科の博士課程の人達には、専用の机を割り当ててくれるそうで、昨日早速その机のあるドクター部屋の鍵をいただきました。

↓がドクター部屋の様子。 なかなか綺麗で快適な感じ。

 

で、これが僕の机。まだなんにもありません。 

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ロッカーもついてます。
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なんか、静かで落ち着いて勉強できそう。ただ、ちょっと寂しいかな?

会社の仕事で、例えばプログラミングのような集中したい作業がある時は、あえてここで仕事をするのもありかも。

 

話は変わって・・・ 

今日はWebから履修申告をしたんですが、結局印刷して担当の先生の判子をもらって学事課に提出しなくちゃいけないらしい。うーん、できれば先生の承認もWeb経由でできるようなシステムにしてもらいたかった・・・。

 

4 月 9


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会社の皆さんから、素敵なCROSSのボールペンをいただきました!

素敵なお心遣い、ありがとうございます!

格好いいなあ、このペン。(^^)

4 月 6

本日、朝9時から慶応大学三田校舎にて入学式でした。

昨日は遅くまでデバッグ作業だったので、かなり眠い目をこすりつつ、しかし途中寝ることなく安西学長の話を聞きました。ちなみに、安西学長は自分が学部生、修士課程の頃は、まだ学部長でした。授業も取ったことがあるので、なんか時の流れを感じます。 

今年は修士博士あわせて1700人近く入学するそうです。その中でもやっぱり理工学部系はダントツ多かった。ちなみに、僕の所属する理工学部博士課程は全部で60人ほどでした。

 

入学式は30分で終了。その後矢上校舎(理工学部)へ移動し、履修案内等の資料をもらったあと、各専攻ごとの説明会へ参加しました。この時、学生証も一緒に配られました。さーて、学割使いまくるぞ~。

さてこの説明会に参加して、自分が卒業した10年前よりは(当然のことながら)IT環境が充実していることに驚きました。

例えば、学校中無線LANが使えます。在校生には接続用のアカウントがもらえるそうです。

それから、履修申告がWebからできるというのも10年前は考えられませんでした。 

そういえば、論文なんかも今は慶應のアカウントで論文誌のWeb上からバンバンひっぱってこれるそう(あんまり古いのは無理そうですが)なので、 これは非常にありがたい。なにしろ僕は、論文を手に入れるために自腹でIEEEという学会の会員になったりしてるので(これが結構高い)・・・。

 

説明会終了後は、研究室の学部4年生の課題発表練習会があったので、それに参加。 ここでも、研究の環境やら設備が、自分がいたころと大きく変わっているのに驚きました。昔自分達が研究テーマにしていたようなことが、今は市販やフリーのツールでできたりして、それを使ってもっと上位のことに取り組んでいるんだなあという印象でした。

10年って本当に一昔ですね。テクノロジーも進化し、環境も確実に変わってます。若い学生にまじりつつ、自分がおっさんになったと感じました。(笑)

4 月 4

はじめまして。ジェイマジックで技術者をしている皆川と申します。

1999年まで大学院の修士課程で画像認識を学んだ後、某外資系でしばらくインターネットのサービス監視システムに携わってました。
その後、とある恩師との出会いからビジネスとして画像認識に再び関わるようになり、紆余曲折を経て今はジェイマジックで画像認識とIT技術の両方について、コンサルしたり、開発したり、といったことをしてます。

この度、社長の宮田さんや、大学の恩師である慶応大学の斎藤先生の応援もあり、この4月から博士号を目指して、ジェイマジックで働く傍ら大学へ戻ることになりました。そこで、この機会にそういった仕事と学業の二束のわらじ生活の記録をブログとして書きとめていこうと思い立ちました。
その主な目的は以下の通りです。

 

「自分自身の記録として」

一生のうちに、こういう経験はそうそうできるものではないだろういうことで、その時々自分がどんなことを考え、どんなことに苦労したのか、といったことを記録に残していこうと思ってます。

 

「社会人ドクターに興味ある皆さんへの参考として」

社会人になってから、勉強をしたいと強く思っている人は意外と多いのではないかと思ってます。そんな人達に、社会人が博士課程に進むために必要なことや、博士課程でどんなことをするのか、仕事との両立の実際なんかを紹介して行けたらと思います。 実は仕事との両立に関しては、僕自身が一番不安でいっぱいだったりするんですが・・・。

 

「会社の宣伝」

会社のサイトの下にぶら下がっていることからもわかるように、このブログには会社の宣伝という意味合いもあります。ジェイマジックという会社がどんなことに取り組んでいるのかという一端を技術者の立場から紹介することで、多くのお客様や就職/転職希望者の皆さんに興味を持ってもらえればと思います。

 

というわけで、仕事と学業に障りない程度にボチボチと書いていこうと思っています。
他にも、せっかく一度社会を経験をしてから大学に戻るので、自分の気付いたビジネスとアカデミックの考え方の違う点や共通点、その時々で興味のある技術についてのネタや研究についても紹介していきたいと思います。

それでは、皆さんお付き合いよろしくお願いします。