どうも、久しぶりの更新です。
先日、弊社より「顔ちぇき!」が正式にリリースされましたが、ここしばらくずっとこの開発に携わっていたため、このブログの更新が滞ってました。しかも公開してから、ITmediaやCNETなど各種メディアで取り上げられ、更にはmixiニュースにも紹介されたことから、予想を遥かに上回るアクセスが集中して、しばらくはその対応に忙殺されてました。
というわけで、本当は前回の続きで入学手続きの話でもしようかと思ったですが、タイムリーなので「顔ちぇき!」の話を書こうと思います。
この「顔ちぇき!」は顔認識技術を使うことで、送った顔写真と有名人とのそっくり度を診断しようという、マジメな画像認識エンジニアは顔をしかめそうなサービスです。
顔認識技術は、入退出管理や、マシンへのログインなどの際に「本人認証」を行うことを目的として開発されています。流行りのバイオメトリクスの一種ですね。多くの顔認識エンジンは、通常エンジン内のデータベース中に登録してある顔と、入力された顔画像との相似率というのを出力し、その相似率がある閾値を超えたときに「本人」であると認証する仕組みになっていますが、「顔ちぇき!」では、その相似率を「そっくり度」としてユーザに表示しています。
なんでマジメな画像認識エンジニアが顔をしかめるのか、それは機械が判定する「そっくり度」と人間が判定する「そっくり度」というのが基本的に違うものだからです。
確かに昔から画像認識の分野では、人間の認識の仕組みをベースにして、顔認識なんかをやろうという研究は色々ありました。例えば僕がジェイマジックの前に勤めていたニブンビジョンの顔認識エンジンは、ガボールウェーブレット変換という、人間の低次の視覚系を模した仕組みを利用してます。
とはいえ、そもそも人間の認識の仕組みと言うやつ自体が、まだ全然わかってなくて(とはいえ、面白い研究は最近出てきてます)、今世の中に出ている顔認識技術の大半は、人間の脳の仕組みが解明されるのを待ってたらいつまでたっても製品ができないので、とりあえずなんとか使えるものを作ったれ、ということで作られたものばかりです。前述のニブンビジョンのエンジンでも、ガボールウェーブレットより上位ではまったく独自のアルゴリズムを使ってます。
そのため、この「顔ちぇき!」の企画を聞いた僕が一番に思ったことは、「顔認識技術と人間が感じるそっくり度はそもそも別物だし、もしそれをやろうと思ったら顔の特徴量と人間の主観の相関を調べてやるとか、ちょっと研究めいたことが必要になるんじゃないのか?」というものでした。
「そんなマジメなこと考えずに、とりあえず作ってみようよ」という営業の提案もあったので、まずは営業のデモツールとして、Web上で入力した顔画像に対し、相似率の高い登録画像を順に表示する、というデモを作成しました。
僕はどうせ、『これ違うじゃん』というリアクションが来るだろうと思っていたんですが、実際は『違ったら違ったで面白い』というものでした。
そしてあれよあれよと言う間に、お客様先での導入が決まり、以後「顔ちぇき!」サービスの公開、そしてアクセスの爆発へと続くわけです。
実は僕は、この「顔ちぇき!」成功のパターンに、技術が世の中へ広まっていくパターンの一つの典型が現れているんじゃないかと思ってます。が、またまた長くなったので、この続きは次回(多分・・・)