先週、斎藤先生と話し合ってようやく研究のおおまかな方針が固まり、これからとりあえずプログラミングを開始することになりました。
というわけで、これから自分の研究生活について書いていく前に、まずは時間を遡って研究テーマを決めるまでの経緯を書いておこうと思います。
研究テーマの決め方は研究室によってまちまちですが、例えば先生から研究するテーマを与えられる研究室もありますし、自分でテーマを選ぶことができる研究室もあります。
斎藤研は基礎研究というよりは応用研究、つまり既にある程度確立された理論を、実用的な分野へ適用しようという研究室なので、学生は画像処理というところから外れなければ、かなり自由にテーマを選択できます。
そのためかこの研究室は、学生ならではのユニークな研究が多いように思われます。例えばサッカーや野球のようなスポーツのシーンや運動の解析や、ギターの弾き方、ビリヤード、コミックなどを画像で解析するなんてものもあります。
(ただ、その中でも一応メインは3次元画像処理で、画像から3次元モデルを再構成したり、Augmented Realityというリアルタイムに撮影された映像に仮想物体を埋め込んだり、といった研究が中心になっています。)
さて、研究には必ず「新規性」が要求されます。つまり今まで誰もやられていないことをやらなくてはいけないわけですが、画像処理を研究している研究者というのはそれこそ五万といるので、その中から新規性を出すのは非常に厳しい作業です。
研究テーマを先生から指示される場合と言うのは、この「新規性」が明確になっている場合がほとんどなので、それほど苦しまなくて良いのですが、自分で研究テーマを決める場合、如何にこの「新規性」を出すかで苦しむことになります。研究テーマが指示される場合は、通常はその研究室が今までやってきたことを発展させることになるので、少なくとも今までその研究室で積み上げてきた最先端の成果の上に自分なりの工夫を積み重ねることが出来るため、「新規性」も明確です。
しかし自分でテーマを決める場合は、運よく今まで誰も適用していなかったような新しいニッチを思いついたなら良いですが、自分が思いつくようなことというのは世界の誰かが思いついているという場合がほとんどなので、徹底した既存研究の調査が必要になります。
実際8年前の僕の修士研究は、自分でやりたいテーマにこだわった挙句、その中に新規性を見出せず、結局研究としてはたいしたこともできずに終わりました。ただ、今思えばあの苦しみのおかげで、「研究」というものの考え方が骨身にしみてわかった気がしてます。
というわけで、当然僕はあの頃よりは「研究」というプロセスについて理解しているつもりですし、社会で揉まれた分マネジメントスキルや開発スキルも身に着けてきたはずですから、今回はもうちょっと良い研究ができるだろうと思っています。この博士課程進学は僕にとっては8年前のリベンジでもあるんです。
では、実際僕がどうやって今回の研究テーマを決めたかと言うと・・・、長くなったのでまた今度。