アイデアをすぐに形にできる実力が欲しい。

ソニーコンピュータサイエンス研究所発の2つの技術ベンチャーが立ち上がったことがITmediaの記事に出ていました。

片方の技術は、モーションポートレートという1枚の顔写真から顔の3次元モデルを作成するというもので、もう一つが「Place Engine」という無線LANの電波の強さから位置情報を割りだすという技術です。

1枚の画像から3次元モデルを作成するのは、あらかじめ顔の3次元モデルを用意しておき、それを2次元画像へフィッティングすることで求めているようです。前回書いたfotowooshよりは、ある程度モデルが既知なので、技術的なハードルは低いと思われます。ちなみに似たような技術をPolar Roseというスウェーデンの会社も実用化しているみたいです。 ただ、ソニーの技術はキャラクター画像にも対応しているというのが、なかなかユニークだと思います。

実は一枚の顔画像から3次元復元をするという技術と、無線LANから位置情報を割り出すと言うどちらの技術も、3、4年ほど前に当時僕の上司だったMさんが実用化しようと目論んでいたものでした。

今を遡ること4年前、僕は最初に入社した某大手外資系メーカーをリストラされ、小さなベンチャー企業に就職しました。その1年後に今度はそのベンチャーが、取引先のGIS(地理情報システム)の会社(今年の初めに倒産)に吸収されました。 このベンチャー企業とGISの会社で僕の上司だったのがMさんです。実はこのMさんの専門が画像認識で、そのおかげで僕は画像認識を自分のこれからの仕事にしていこうと思うようになりました。

この方は、どういうわけか世界中の超一流の画像認識の研究者と知り合いで、ベンチャーを立ち上げてはその人達の技術を実用化する、ということを長年やっています。僕もこの方の下で働いていた頃、プロジェクトマネージャーみたいな形で何度か海外の大学とやり取りしたことがあります。

その知り合いの中にスイス、バーゼル大のThomas Vetter教授がいるのですが、この方は1999年に一枚の顔画像から顔の3次元情報を復元して、認証させると言う研究を発表しています。僕がそのベンチャーに勤めていた時に、この技術を実用化しようという話が持ち上がり、僕も技術面で色々と協力する予定だったんですが、クライアントとの折り合いが付かず、結局プロジェクトがうまく立ち上がりませんでした。

また、その後吸収されたGISの会社でも、無線LAN情報を使った位置測定技術の研究を計画していたのですが、会社側の体制の問題でこちらも実現できずに終わりました。

今更ながら、Mさんの先見の明は大したものだと思います。ただ、やはり当時Mさんの周りの環境が整わず、そうこうしているうちに資金力と環境を持っているところがきちんと実用化してしまいました。まあ、そのMさんのことだから、またもっと新しい技術を見つけて取り組んでいることだろうと思いますが。

僕の頭の中にも実現したいアイデアや研究はたくさんあるんです。でも、僕の場合はMさんのようにうまくそれを周りに説得できるだけの実力がない・・・。僕がどんなに面白いと思っていても、その凄さや面白さというのはなかなか周りに伝わらないんです。 

そうこうしているうちに、今回のように他がどんどん面白いことをやってしまうだろうと思うと、一日でも早く実力をつけたいと強く思います。だからこそ、今の博士課程の勉強を頑張らねば!

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