本日、とあるきっかけがあって、字幕.in/satoru.netの矢野さとるさんとクレイジーワークスの村上福之さんにお会いしました。
矢野さんは、Yahoo、ライブドア、uhuruなどを務めた後、会社を辞めて個人の趣味でsatoru.netというサイトを運営されていました。その中の「字幕.in」という、動画にユーザが勝手に字幕を付けらるというサービスが大ヒットしたため、そのサービスだけ株式会社化して、今は「字幕.in」の代表取締役を務める傍ら、引き続きsatoru.netで新しいサービスを作られています。
一方、村上さんはパナソニックで画像処理関係の仕事に従事された後に、現在の会社を立ち上げて携帯コミック製作ツールなどを作られているそうです。
今回お二人は「写メちぇけ」という投稿写真が他人にどう見えるかをユーザに判定させるサービスを開発しまして、それが縁で「顔ちぇき」を開発した僕と情報交換しましょうという話になりました。
以前、ITmediaで矢野さんに関する記事を読んでいたので、今回お会いできたのは光栄でした。お二人の技術のお話やモノ作りに対する姿勢など、一技術者として非常に刺激になりました。
特に矢野さんの、新しいアイデアを思いついてから、とりあえず作ってバグだらけでもいいから公開してしまい、そこから更に新しいことを思いついたり、ユーザからフィードバックを得ることで改良を繰り返すというそのスピード感が、個人でやっているサイトならではだなあと感じました。これが組織でやっていたりすると、もっと分業が進んでいて、確かにより良いものができるかもしれませんが、開発や変更・改良に時間がかかったりすると思います。一方、個人で作っていれば、自分で色々なところをいじくりながら、ずっと頻繁にTry&Errorが繰り返すことができます。
一応僕はラボの人間なので、ラボの中で「とりあえず動くもの」を個人で作るこの開発スタイルというのは非常に使えるんじゃないかと思いました。幸い僕は画像認識技術に関するスキルと一応はサーバー構築のスキルはあるので、個人で画像認識技術を応用したなんらかのデモサイトを作ることができます。そうやって自分なりに画像認識技術の使い方を「とりあえず動くもの」として提案することで、今まで自分が感じていた「この技術使ったら面白いことができるはずなのに、いまひとつ周りにその良さが伝わらない」というもどかしさの解決策になるのではと思いました。
問題は、僕がベンチャーの求めるスピード感で、どれだけ頻繁にデモをリリースできるかということですが・・・。
それと、お二人に共通して感じたのは、やはり技術者としてモノ作りを楽しんでいるなあと言うことです。やっぱり自分も楽しんでいるからこそ、人が集まるようなサイトが作れるんでしょうね。
そういえば、よくオープンソースコミュニティのハッカー達が、自分達のソフトがなぜ商用ソフトに負けないか、という裏づけとして使うAlfie Kohnの報酬と動機についての心理学の研究を思い出しました。
これは、人を報酬で釣ってある活動をさせた場合、何も言わずに活動をした場合に比べてパフォーマンスが落ちる場合があるという理論です。例えば、「良い絵が描けたらご褒美をあげるよ。」と言われた子供と、何も言われずに絵を描いた子供とでは、何も言われなかった子供の方が良い絵を書くというものです。
これは、元々子供は絵を描くこと自体を目的で楽しんでいたのに、報酬をちらつかせてしまうと、子供は絵を描くことよりも報酬をもらうことが目的になってしまうためだと言われています。つまり報酬を与えるという行為が、クリエイティビティを阻害してしまったわけです。
技術屋にとっては、お金儲けよりも、モノ作り自体を楽しむ心や環境の方が大事なんですよね。お二人と話をしていてそんなことを思いました。
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ところで一昔前の日本のIT業界の有名人って、ソフトバンクの孫さんや楽天の三木谷さんなど、経営者ばかりだった気がするんですが、最近は矢野さんの他にもRubyのまつもとゆきひろさんとか、技術者の有名人が増えてきた気がします。
嬉しい傾向です。