8 月 30

本日、とあるきっかけがあって、字幕.in/satoru.netの矢野さとるさんとクレイジーワークスの村上福之さんにお会いしました。

矢野さんは、Yahoo、ライブドア、uhuruなどを務めた後、会社を辞めて個人の趣味でsatoru.netというサイトを運営されていました。その中の「字幕.in」という、動画にユーザが勝手に字幕を付けらるというサービスが大ヒットしたため、そのサービスだけ株式会社化して、今は「字幕.in」の代表取締役を務める傍ら、引き続きsatoru.netで新しいサービスを作られています。

一方、村上さんはパナソニックで画像処理関係の仕事に従事された後に、現在の会社を立ち上げて携帯コミック製作ツールなどを作られているそうです。

今回お二人は「写メちぇけ」という投稿写真が他人にどう見えるかをユーザに判定させるサービスを開発しまして、それが縁で「顔ちぇき」を開発した僕と情報交換しましょうという話になりました。

以前、ITmediaで矢野さんに関する記事を読んでいたので、今回お会いできたのは光栄でした。お二人の技術のお話やモノ作りに対する姿勢など、一技術者として非常に刺激になりました。

特に矢野さんの、新しいアイデアを思いついてから、とりあえず作ってバグだらけでもいいから公開してしまい、そこから更に新しいことを思いついたり、ユーザからフィードバックを得ることで改良を繰り返すというそのスピード感が、個人でやっているサイトならではだなあと感じました。これが組織でやっていたりすると、もっと分業が進んでいて、確かにより良いものができるかもしれませんが、開発や変更・改良に時間がかかったりすると思います。一方、個人で作っていれば、自分で色々なところをいじくりながら、ずっと頻繁にTry&Errorが繰り返すことができます。

一応僕はラボの人間なので、ラボの中で「とりあえず動くもの」を個人で作るこの開発スタイルというのは非常に使えるんじゃないかと思いました。幸い僕は画像認識技術に関するスキルと一応はサーバー構築のスキルはあるので、個人で画像認識技術を応用したなんらかのデモサイトを作ることができます。そうやって自分なりに画像認識技術の使い方を「とりあえず動くもの」として提案することで、今まで自分が感じていた「この技術使ったら面白いことができるはずなのに、いまひとつ周りにその良さが伝わらない」というもどかしさの解決策になるのではと思いました。

問題は、僕がベンチャーの求めるスピード感で、どれだけ頻繁にデモをリリースできるかということですが・・・。

 

それと、お二人に共通して感じたのは、やはり技術者としてモノ作りを楽しんでいるなあと言うことです。やっぱり自分も楽しんでいるからこそ、人が集まるようなサイトが作れるんでしょうね。

そういえば、よくオープンソースコミュニティのハッカー達が、自分達のソフトがなぜ商用ソフトに負けないか、という裏づけとして使うAlfie Kohnの報酬と動機についての心理学の研究を思い出しました。
これは、人を報酬で釣ってある活動をさせた場合、何も言わずに活動をした場合に比べてパフォーマンスが落ちる場合があるという理論です。例えば、「良い絵が描けたらご褒美をあげるよ。」と言われた子供と、何も言われずに絵を描いた子供とでは、何も言われなかった子供の方が良い絵を書くというものです。
これは、元々子供は絵を描くこと自体を目的で楽しんでいたのに、報酬をちらつかせてしまうと、子供は絵を描くことよりも報酬をもらうことが目的になってしまうためだと言われています。つまり報酬を与えるという行為が、クリエイティビティを阻害してしまったわけです。

技術屋にとっては、お金儲けよりも、モノ作り自体を楽しむ心や環境の方が大事なんですよね。お二人と話をしていてそんなことを思いました。

==============

ところで一昔前の日本のIT業界の有名人って、ソフトバンクの孫さんや楽天の三木谷さんなど、経営者ばかりだった気がするんですが、最近は矢野さんの他にもRubyのまつもとゆきひろさんとか、技術者の有名人が増えてきた気がします。

嬉しい傾向です。

8 月 27

先週の金曜日と今日、研究室の「全体発表会」というイベントがありました。

これは研究室に所属している全員が自分が行っている研究について発表すると言うもので、お互いどんな研究をやっているのか、先生だけでなく学生同士でも情報共有をしようという会です。もちろん、ドクターとて例外ではありません。

この2日間で総勢30名以上の発表を聞くことになり、さすがに疲れました・・・。ただ、普段違うグループの人達がどんな研究をやっているのか見れたのは面白かったですね。特に僕以外のドクターの発表と言うのは聞いたことがなかったので、大変ためになりました。

僕の発表は、個人的にはいまいちでした。本当は、自分の発表までに少しでも進捗を出そうとあがいたんですが、なかなかプログラムのバグが取れず、結局あきらめて、やっつけで資料を作りました。まあ、なんとか乗り切ることはできましたが、結局昨日はほとんど眠れず、今はかなりヘロヘロです。

 

 

 

で、発表会終了後、ちょこっとプログラムを修正したら、あれだけ格闘しても取れなかったバグがあっさり取れてしまいました。

なんじゃそりゃあああああ!!!

 

さ、帰って寝よ寝よ。 

8 月 21

気がつけば、前回の更新から約一ヶ月・・・。

皆様ご無沙汰しております。

 

というわけで近況報告。

仕事の方ですが、今はSAYLプロジェクトや色々な画像認識エンジンの評価などなど、様々なことにクビを突っ込んでます。

大学の研究の方は、ある既存研究の実装を進めています。こちらは当初の予定から2-3週間ほど遅れてます。気持ちは焦ってますが、楽しんで研究してます。 

 

どちらも忙しく、なかなか時間の区切りが難しいので、現在会社とは勤務形態を変えようかという話をしてます。入社当時は、2-3週間集中して仕事したら次の2-3週間は大学という働き方を考えていたのですが、実際は2-3週間も会社に来ないことなど不可能に近いので、例えば曜日を決めて1週間に2日は強制的に会社に来ない日を設けようということを検討してます。

この2-3週間ごとに会社と大学を切り替えるという働き方は、主にバイト的な感じでの作業(プログラミングやテストなど)を中心に考えていたためでしたが、実際はプロジェクト管理とまではいかないまでも、マネジメント的な仕事も入ってきてしまっているため、どうしても定期的に出社せざるを得ません。 

まあ、元々人手が足りてないというのもありますが、自分で自分の仕事を増やしてる部分もあるかもしれません。例えば僕がSAYLに関わることになったのは、僕自身がSAYLの基本アーキテクチャを提案したせいだし、画像認識エンジンの評価の中には自分から会社に提案しているものも
あります。

ただそれでも「これに手を付けたら研究がヤバイ」と思って、気付いているのに見送った仕事も数多く・・・。最近は社員も少しずつ増えてきて、僕が手を出せなかったところや、そもそも気付かなかったところに徐々に手が届くようになってきましたが。

いずれにせよベンチャーに入社した以上は、受身的に仕事するよりは積極的に仕事に関わった方が楽しいには違いありませんし、実際に楽しいです。ただ、研究がどうしても気になって、どこかで躊躇してしまう自分がいます。

研究自体もこれから先試してみたい手法や勉強したいこと、読みたい論文、そしてその中にはビジネスに応用できそうなことがたくさんあって、時間はいくらあっても足りません。

うまいこと会社の仕事と大学の研究がWin-Winになるように持って行きたいのですが・・・。