ARisを企画した人は技術をちゃんとわかっていると思う

今さらですが、あちこちで話題になっている芸者東京エンターテイメント「ARis」について書いてみます。

ARisって何?っていう人は、とりあえず以下の動画を見てください。

これは、Augumented Reality(以下AR)というコンピュータ・ビジョンの分野では長いこと研究されている技術を応用したものです。ARとはカメラで撮影した画面上に、CGなどを自然に重畳表示する技術で、カメラで撮影したマーカーの画面上の映り方から、カメラの相対位置を計算することで自然なCGの重ね合わせが実現できます。

ARisで用いられている技術は典型的なAR技術で、ビジョンの研究者からしてみれば特に技術的に何か真新しいということはありません。ただ、その応用方法が非常に素晴らしいと思っています。

現在のAR技術の大きな制約としては、マーカーがカメラの中に映っていないと使えないという点で(最近は、使わないものも出てきてるけど)、例えばARの応用例として語られているような、ヘッドマウントディスプレイをつけて街中を歩くと、街の至る所に仮想空間の情報(例えばレストランを見たら、そのメニューが現れるとか)といった使い方は、いちいちマーカーを設置しなければいけないため、なかなか難しいわけです。

が、このARisのような使い方であれば、特にマーカーがストレスになることもないでしょう。しかも、マーカー付きの棒で突っつくことでキャラクターとコミュニケーションを取るというのは、僕の知る限りあまりないアプローチだと思います。

こういう技術の性質をおさえつつ、ちょっとひねったアプリケーションを作ることができるのは、企画者の中にAR技術の表面だけでなく中身までちゃんと知っている人間がいるということだと思います。もちろんTry & Errorを繰り返しながら、アイデアを練っていったんだろうとは思いますが、少なくとも技術を理解していなければ、こういう発想はできないと思います。

最近、画像認識技術は色々な形で市場に出てきていますが、僕から見ていて「この技術をこんな使い方してもダメじゃん」と思うことがたくさんあります。せっかくユニークな面白い技術、もしくは可能性がある技術なのに、結局どこかの類似サービス(何とは言いませんが・・・)になっていて、非常にもったいないなあと思ってしまいます。多分企画者は、その技術の目に見える部分しか理解していないんだろうな、と感じます。

というわけで、芸者東京エンターテイメントって面白い会社だなあ、と思いました。

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